までも離れないように、一つ壁の中へ塗りこめられるのだから、せめてはそれを喜びにして、いっしょに死んでおくれ、ねえお美夜」
 母と娘のきずなをそのままに、人柱として永遠に残ることが、お蓮様には、かえってこのうえもない満足。
 人間、死を覚悟すると、すぐあとに幸福感がつづく。
 お美夜ちゃんとお蓮様は、手をとり合ったまま、護摩堂の中へ連れこまれたのだったが。
 このとき! 十重二十重《とえはたえ》にとり巻く警護の武士が、ドッ! とどよめきだったかと思うと、左膳の濡れ燕が闇にひらめいて!
 源三郎にしてみれば、この造営を受け持っているのは兄の対馬守。やいばをふるってたち向かっては、同じ家中の者どもを手にかけねばならぬ。
 といって、あわれな母娘《おやこ》が人柱などという、荒唐無稽な迷信の犠牲にならんとしているのを、黙視するには忍びない。
 したがえてきた部下三人に、すばやく耳うちをした伊賀の暴れん坊。
「左膳の狼藉をとりおさえるがごとく見せかけて、彼が母娘の者を連れて脱出する、その逃げ道をつくってやれ、よいか。ぬかるナ!」
 というわけ。四人はいっせいに抜きつれたが、左膳をとり巻いてやたらに
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