を見ると!
「オヤ、文がはいっておるぞ」
「フーム、この上流から流したものらしいな」
と源三郎も、仔細ありと見て、寄ってきた。とりかこむ人々のなかで、心きいた一人が、がんどう提灯を左膳の顔へ、かかげる。
闇に浮かぶ隻眼刀痕の妖面。
「なんだと?」
竹筒の中から取り出した文を、一度黙読した左膳は、ぎょっと顔色を打ち変え、
「われら母娘《おやこ》の者は、ごま堂の人柱に塗りこめられんとして、今この崖の上なる一つ家《や》にとじこめられておる者なり、お救いくださらば、世々生々《よよしょうしょう》御恩は忘るまじく……お蓮、お美夜、とあるぞ」
「ナニ、お蓮? うむ! これはおもしろい。助けてやろう。彼女《あれ》に娘があるとは、知らなんだが――」
うめいた源三郎を先頭に、一行はガサガサと藤蔦《ふじつた》の蔓《つる》につかまり合って、断崖をよじ登りだした。萩乃やお藤姐御まで、かいがいしく裾をからげて。
なんでもいい、人さえ斬れるところなら、どこへでも顔を出したい丹下左膳、もう濡れ燕の目釘《めくぎ》にしめりをくれて、伊賀の暴れん坊とさきをあらそう。
こうして一同が、その、お蓮様とお美夜ちゃんの
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