語り顔にチラチラしている。
 下流へ行って、大谷川とでも合するのであろう。この崖の裾をめぐって、落ち葉朽ち葉のあいだを、一条のせせらぎが清冽《せいれつ》な音をたてている。
 ひとまたぎでとび越せる小川。
 だが、ためらう萩乃は、源三郎の部下の一人にしょわれて、一同は川を越した。お藤姐御だけはすましたもので、しゃがんで背をむける一人を、
「おふざけでないよ」
 とこづいたまま、白い脚もあらわにピョイととび越して、ほほほと笑ったものだ。
 そのとき左膳が、何を見つけたか、水辺にしゃがみこんで、
「なんだ、こんなところに、こんな竹筒っぽうがひっかかっておる」
 と、指を冷たい水にぬらして、川岸の水草の根のあいだからつまみあげたのを見ると、籠花活けのおとしらしい竹筒だ。
「なにかと思えば、くだらぬ……」
 つぶやいた左膳、そのまま草むらへ投げ捨てた――イヤ、投げ捨てようとして、ふと気がつくと、その竹筒の口に、蝋《ろう》のかたまりがついているではないか!
 竹筒の口を、蝋で封じてあるのだ。ハテナ……と、好奇心をそそられた左膳、コツコツと竹のさきをかたわらの立ち木の幹に打ちつけ、蝋をうち落として中
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