の疑問符《ぎもんふ》


       一

 一足さきに日光へ着いた泰軒先生とチョビ安、造営奉行所へまともに願い出たところで、作阿弥に会わせてもらえるわけはないから、町の噂、人の口裏を、それとなく聞きだし、つづり合わせて考えると……。
 霧降りの滝の近くの谷に、さきごろから小屋を結んで、誰をも近づけずに、何やら仕事をしている一人の老人があるとのこと。
 それよりも、二人が気になってならない聞きこみというのは、護摩堂の壁とやらへ人柱を塗りこめることになって、もう、その母娘《おやこ》の犠牲《いけにえ》が、どこかの山内《さんない》の秘密の場所に、養われているという。
 人の口に戸を立てることはできない。もうこんなに知れわたって、町の人々は恐ろしそうに、ささやきかわしていた。
 もしかすると、お蓮様とお美夜ちゃんではないかしら?
 そう思うと、チョビ安も泰軒居士も、一刻の猶予もならない。
 といって、どこにその二人がかくまわれているのか、それをたずねでもしようものなら、即座にこっちの命があぶないにきまっている。
 で、まず第一に、作爺さんに会わねばと……こうして今。
 霧降り道からわかれて、
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