い左膳とお藤が姿を見せて、これも、日光へ――。
かと思うと三人目には、伊賀の暴れん坊までが日光をさして、江戸を離れようとする。
トンガリ長屋の付近にひそんで、そこまで見とどけた与吉。
「ワアッ! てえへんでえ、てえへんでえ! 馬鹿に今夜は日光ゆきのはやる晩だ。こりゃあこうしちゃあいられねエ」
とばかり、東の白みかけた街を足を宙に、妻恋坂の道場へかけもどり、まだ丹波が寝ている部屋の外まではいりこんだ与の公、
「チョッ、殿様、峰の旦那! 寝ている場合じゃアござんせんぜ」
六
与吉から、委細の話を聞いた峰丹波は、
「ウム! これは、日光の方角に、何やら容易ならぬことが行なわれんとしておるに相違ないテ。ことによると、あの方面にこけ猿の茶壺があるとでもいうような、有力な聞きこみがはいって、それでこうして三組の者どもが、あわてふためいて日光へ向かったのであろう」
じっと何事か沈思《ちんし》におちていた丹波、ハタと膝を打って、ニヤリとした。
「与吉、日光を見ざるうちは、結構と言うなかれじゃ。そちも見物にまいるか」
「ヘエ、ぜひお供いたしてえもので」
そこで丹波、どういう
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