てきいてみたけれど。
いいえ! というように、首を振るばかり――頭痛でも腹痛でも、病気でもないという。
不憫《ふびん》な者だけに、ときどきこうして沈みこむのであろうと、お蓮様とお美夜ちゃんの二人は、ひとしおやさしくいたわる。
それがまたお梶の身には、火責めにされるよりもつらいので。
とうとうたまらなくなったお梶、ある夕方、突然、グッとお蓮様のたもとをおさえて……。
六
宵の口から、ポツリと落ちだした雨。
山の天気は変わりやすく、アレ! 雨かしら? と思ううちに、一山ゴウッととどろきわたって、大粒な水滴が、まるで小石のように縁先の笹《ささ》の葉をうち鳴らす。
沛然《はいぜん》。
それに雷《らい》さえも加わったものすごさに、お蓮様はあわててたちあがり、
「お美夜や、手を貸してちょうだい。お梶はあんなに、ふさぎこんでばかりいて、このごろは、笑い顔ひとつ見せない。かわいそうだから、使いだてるのも遠慮しましょう。いい子だからお母ちゃんといっしょに、この雨戸をしめましょう」
「ほんとに、お梶はどうしたの? 母ちゃん。今もお台所にすわって、こうやって泣いているわよ。
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