るようですけど、私ども母娘《おやこ》は、作阿弥をたずねてまいったもので」
「ソウラ! サクアミが始まった! あはははは、ワッハッハッハ」
 と一同は、腹をかかえて笑いくずれる。なかに一人、ごくものずきなのが、妙なかっこうでお蓮様の前へしゃしゃり出て、
「サクアミ様をおたずねなら、お会わせ申すはわけのないこと。日が暮れますと、あの太郎山の頂上に宵の明星がピカリ、ピカアリと光りまするナ……」
「オイオイ、よせよせ」
「そもそも、この、星が光ると申しますのは、お星様から下界へ向かって、青い糸を投げおろしまするので――サクアミ様はその糸にぶらさがって、スルスルスルッと降《お》りてきましてな。ホラ、あの杉の木のてっぺんへ、毎晩おくだりになりますよ、ヘッヘッヘ」
「よせと言うのに! 本気にされたら、また厄介じゃあないか」
 お蓮様はあっけにとられて、その剽軽《ひょうきん》な男の顔を穴のあくほどみつめている。
 ポカンと口をあけて。
 江戸を離れると、いたるところにお化けが出る――ということを聞いたけれど、どうしてこの日光には、こんな変てこな侍ばかり集まっているのだろう……。
 泣きたくなるような気
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