も、なんの音沙汰もないばかりか、さながらこの家へとじこめられたなり、すっかり忘れられてしまったよう――。
 どこから運んでくるのか、三度三度の食事などは、ごちそうずくめ。
 身のまわりの用を達するには、ちゃんと侍女がつけられているし、なんの不足があるわけではないが。
 これでは、まるで、日光へ寝ころびに来たようなもの。作阿弥に会いたいということを伝達したいにも、その方法がない。
 唖なのです。……その唯一の腰元というのは。
 まず、退屈しはじめたのはお美夜ちゃんで、
「ねえ、母ちゃん。日光の町のほうへ、お爺ちゃんを探しにゆきましょうよ」
「そうねえ。いつまでもここに、ぼんやりしていることもない。途中でお役人様に会ってきいたら、おじいちゃんのいどころも知れるかもしれない」
 べつに、戸じまりが厳重だというわけでなし、垣根が結いめぐらしてあるのでもないから、お蓮様はお美夜ちゃんの手を引いて、庭づたいに、雑木林の小みちをたどろうとすると。
 忽然《こつぜん》として、五、六人の足軽風の者が現われて、そのまま家へ追いかえされてしまう。
 体《てい》のいい監禁ということに、お蓮様が気がついたのは、
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