蓮さま、何を思ったか濡れ手をふきふき、ころがるようにそれへ走り出て、
「お美夜、おまえそれはほんとうかい? おお、よく言っておくれだ。わたしも、お祖父《じい》ちゃんとあんなあわただしい別れ方をして、気になってならないんだよ。ねえ、泰軒先生、後生ですから此児《これ》と二人で、日光へ行くことをお許しくださいまし」
意外な助け船に、お美夜ちゃんはたちまち眼をかがやかして、
「母ちゃんも、お爺ちゃんに会いたいの? じゃ、いっしょに行きましょうよねえ」
お蓮様の眼から、みるみる大粒な涙がわいて、いきなり彼女は、しっかとお美夜ちゃんの手をとった。
「おう、ありがとうよ、ありがとうよ。はじめて母ちゃんと言っておくれだねえ。わたしはそれを聞いて、もうもう……いつ死んでもよい」
ほうり落ちる涙が、だき寄せたお美夜ちゃんの顔へ。
お美夜ちゃんは気味わるそうにびっくりしたようすだったが、
「ええ、あたい、だんだん母ちゃんのように思ってきたわ。だからいっしょに泰軒小父ちゃんにお願いして、ねえ、早く日光へ――」
チョビ安はポカンと口をあけたまま、あっけにとられて、このありさまを見守っています。
「それ
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