ていた石金は、今のひと柄杓《ひしゃく》が、したたかお美夜ちゃんの裾にかかったのにおどろいて、あやまり顔にそばへ寄り、肩へ手を置きながら、
「悪いおやじメだ。かあいいお美夜ちゃんに水をかけて、ヤア、こんなにぬらしてしまったナ。なア、かんにんしておくれよ……オヤ! おめえ泣いてるじゃあねえか」
 顔をさしのぞくと、なるほどお美夜ちゃんは、パッチリした眼にいっぱいの涙です。
「水をかけたぐれえで、泣くもんじゃアねえ。と言っても、女の子のことだ。おべべをよごしたのが悲しいのだろう。ほんとにおいらが悪かった。サア、きげんをなおして家《うち》へけえんな」
 無骨な石金が、一生懸命になだめるが、お美夜ちゃんは返事もしません。
 大粒の涙がかあいい頬を、ホロホロつたわり落ちるのにまかせて、小さな石像のようにつくねん[#「つくねん」に傍点]と立ったまま。
 ツクネンと立つたまま、じっとみつめています。血綿《ちわた》のような夕陽雲《ゆうひぐも》のただよう西の空を。
 石金の言葉など耳にもはいらないお美夜ちゃん。足にしたたか水がかかったのも、てんで気がつかないらしい。
 なんといっても黙っていたのが、しばら
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