家に駆けつけ、病後の源三郎を、即刻この道場の別棟《べつむね》へ迎い戻した。
そうして帰ってきた源三郎が、前からここにいたように、日常茶飯事に託して自分の姿を、チラリチラリと不知火のやつらに見せたことは、この連中のあいだにこんな大恐慌《だいきょうこう》をもたらしたので。
かくて、丹波を中心に、生残り組のこの大評定となったのです。
このとき、外の廊下に、サヤサヤとやさしい裾さばきが、足ばやに近づいてきた。
「ア、お蓮様がおいでだ」
一同は、いっせいにすわり直しました。
二
「皆様、こちらにおそろいで」
障子のそとの廊下に、小膝をついた女の声。佐々《さっさ》玄八郎が、いぶかしげな低声《こごえ》で、
「ヤ、お蓮様ではないぞ」
「アノ、そのお蓮様のことでござりますが……ごめんあそばせ」
声とともに、静かに障子があいて顔を出したのを見ると、お蓮様づきの侍女、早苗《さなえ》です。
玉虫色《たまむしいろ》のおちょぼ口を、何事かこころもちあえがせて、
「峰様におたずね申しあげます。お蓮様はどこへゆかれましたか、御存じでは?――宵の口から、何かひどくうち沈んでいらっしゃいま
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