膳のために、かなりのおもだった連中が斬られてしまったので、今この深夜の部屋に、短気丹波を取りまいている不知火十方流の弟子どもは、約二十人ばかり。佐々《さっさ》玄《げん》八|郎《ろう》、前山彦七、海塚主馬《うみづかしゅめ》、西御門《にしごもん》八郎右衛門、間瀬徹堂《ませてつどう》、等、等、等。
「しかし、おどろきましたな。私が見たときは、彼奴《あいつ》め、庭の下に立って、手ずから燈籠に灯をいれるところでしたが、夕闇のせまる庭に、誰やら立っている者がある。うしろ姿の肩のあたりに、見おぼえがござったでナ、ハッと思って、縁側から眼をすえていると、ふり返ってニタと笑った顔! 明りに片頬を照らしだされたのを見ると、死んだはずの伊賀の暴れん坊ではござらぬか。さてはこいつ、迷ったなと……」
 恐ろしげに声をふるわせて、そう話しているのは、まるくなった座の一人、海塚主馬だ。
 西御門八郎右衛門が、その名前のように長い顔を、いっそう長くさせて、
「イヤ、実にどうも、なんともかともおどろき入りましたテ。てまえは、源三郎めが不浄場から出て、手を洗っているところを遠くからチラと見たのですが、それでもうこの腰の蝶
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