手を重ねて、身もだえしながら狂乱の体《てい》……これでおしまいです。
 チョンと鉦《かね》を打ち上げたチョビ安、
「オオ、お立ちあいの衆、この中にも、親の気も知らずに悪所通いに身をもちくずして、かけがえのねえ父《ちゃん》やお母《っか》あに、泣きを見せているろくでなしが、一匹や二匹はいるようだが、おいらの唄で、胸に手を置いてとっくり考えてみるがいいや。なあ、お美夜太夫」
「ええ、そうよ、そうだともサ」
 と美夜ちゃんは、なんでも合いづちを打つ役目。
 群衆がちょっとしんみりしたところをねらって、チョビ安大声に、
「ヤイヤイッ! 何をポカンとしてやがるんでエ! おいらもお美夜ちゃんも、おまんまをいただかずに踊ったり唄ったりしてるんじゃアねえや。と、これだけ言ったらわかろうじゃねえか。サア、たんまりお鳥目《ちょうもく》を投げたり、投げたり! チャリンといい音《ね》のする小判の一|枚《めえ》や二|枚《めえ》、降ってきそうな天気だがなア」
 と、大きなことを言う。
 投げ銭の催促です。

       三

「オウ、こちとらアナ、何もてめえッちに感心してもらおうと思って、唄ったり踊ったりしてるん
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