げて、かあいいしな[#「しな」に傍点]をしながら、左の手で右の袂《たもと》をだき、右の人さし指でむこうを指さす動作《しぐさ》をする。
見物は感《かん》に堪《た》えて、見ています。
「ちょいと聞くから」で、その手を返して、お地蔵さんの肩をたたく手つき。「教えておくれ」のところは、胸に両手を合わせて、身をもむように、一心に頼むこころを表わす。
「涎《よだれ》くり進上《しんじょう》、お饅頭《まんじゅう》進上《しんじょう》」と、お美夜ちゃんは涎くりの手まねやら、お饅頭をこねたり、餡《あん》をつめたり、ふかしたりの仕草《しぐさ》、なかなかいそがしい。
「オウ、姐《ねえ》ちゃん、その饅頭をこっちへもひとつ」
「二人とも親なし児なんですってねえ。マア、なんてかあいそうな」
「ちょいと乙《おつ》な手つきでげすな」
「コレ、およしちゃん、この兄《にい》ちゃんも姉《ねえ》ちゃんも、お父《とう》さんもお母《かあ》さんもないんですとさ。それを思ったら、こうして母《かあ》ちゃんにだっこしているよしちゃんなんか、ほんとにありがたいと思わなくちゃあいけませんよ」
とこれを機会に、親の恩をひとくさりお説教する町の
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