のだろう、ぐらいに考えた竹田某は、
「竹田殿ッ、御用心なさらぬと……」
などと注意する声を背中に聞いて、いきなり抜刀をひっさげ、ツカツカと左膳の前へ出かけて行った。
「ほほう、でえじにすりゃア一生使える命、そんなに斬ってもれえてえのか」
左膳はそう言って、薄く笑った。そして、下唇を突き出して、フッフッと息を吹き上げるのは、ひたいに垂れかかる乱髪が邪魔になるのです。
竹田の存在など、てんで眼にもはいらないように、いつまでも毛を吹き上げている。
「地獄の迎えだッ!」
うめいた左膳、割り箸を開くように、二本のほそいあしがパッととびちがえたかと思うと、その上体はたいらにおどって、竹田の右肩から左脇腹へかけて一閃の白い電光がはしったと見る!
それきりです。
いばりかえった顔のまんま砂まみれに二、三度ころがった竹田の死骸。
一同は、わけのわからない叫びをあげて、ちらばりだした。
六
異様な微笑をもらした左膳、追いすがりに、タタタと砂をならして踏みきるがはやいか、また一人二人、うしろから袈裟《けさ》がけに……。
なめきっていた相手に、この、神《しん》に似た剣腕があ
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