を」
斬られる……という覚悟で、御前に出てきた儀作は、
「ヘ?」
と思わず首のまわりを、なでました。ああありがたい! チャンとまだついている。
「ヘェ、申し遅れましてあいすみません。田丸主水正のおっしゃるには、壺の大金はみつかった、それも、ただいまの麻布林念寺前のお上屋敷のお庭隅に、確かに埋ずめてあると申すことで、私が江戸を離れます日には、その場所に玉垣を結《ゆ》いめぐらし、人を近よらしめずに、殿の御出府をお待ち申しておりまする……」
一座に、しばし沈黙が落ちた。さすがの対馬守さまも、お顔の色をお変えになって、
「ナニ、財宝《たから》が見つかったと?」
半信半疑の面もちで、左右の近侍をみわたすと、
一同、おどりたちたい衝動、さけびあげたい歓喜をこらえて、御前だから、じッとがまんをしているようす。
「上屋敷の隅に、ハテナ?」
つぶやいた対馬守の低声《こごえ》は、皆の耳にははいらなかった。殿様はさすがに、はやくもこれには何か仔細がある、ときっとからくり[#「からくり」に傍点]がひそんでいるに相違ないとにらんだのですが、家臣のまえ、さりげなくよそおって、
「で? 主水正は、余に江
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