から、さながら名優の舞台を見るよう。
 早くもその手には、引き抜かれた一刀が、秋の小川と光って――。これが、不知火流でいう沖の時雨《しぐれ》。
 サッと水をきるように、そして、しぐれの一過するようにひらめくという、居合の奥許しなんだ。
 同秒……。
 今まで唖然としていた門弟一同の手にも、それぞれしろがねの延べ棒のようなものが、百目蝋燭の灯にチラチラと映えかがやく。剣林一度に立って、左膳をかこみました。
 萩乃は? お蓮様は? と見れば、すでにこのとき、女二人の影はありません。二、三の弟子や侍女に助けられて、血の予想に顔をおおったお蓮様と萩乃の跫音《あしおと》が、そそくさと乱れつつ、はるか廊下を遠ざかって行く。
 そのとき、司馬の一同、ギョッと声をのんだのは、四ツ竹のような左膳の笑い声が、低く、低く、道場の板敷いっぱいに低迷したからで。
「ウフフ、うふふ、そっちが同じ穴の狸なら、こっちは、おれと源三郎は、同じ穴の虎だ。恩も恨みもねえ伊賀の暴れん坊だが、左膳を動かすのは、義と友情の二つあるだけ。おれは源三郎になりかわって、すまねえが、丹波の首をもらいに来たのだよ」
 いつのまにか斬尖《き
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