まさあ」
 与吉のやつ、古い文句をならべて、
「オウ、姐さん、茶代はここへ置くよ。このお侍さんの分もナ」
 チャリンと二つ三つ、小粒を盆へ投げだす。
 儀作はおどろいて、
「イヤ、私の分まで置いてもらうわけはない。どうぞ、さような心づかいは御無用に願いたい」
 与吉は平手で額をたたいて、
「そうおかたいことをおっしゃるもんじゃあござんせん。ナニ、ほんのお近づきのおしるし、ヘヘヘヘヘ、手前の志でございますよ」
 相手にものを言わせまいと、与吉は大声に、
「へらへらへったら、へらへらへ! へらへったら、へらへらへ――サア、めえりやしょう。あっしゃアね、真実、旦那の気性《きっぷ》に惚れこみやした。実にどうも、お若いに似ずたいしたもので。さすがはお侍様……あっしみてえな下司な者と同道しやすのは、さぞ御迷惑ではござりましょうが、そこがソレ、ただいまもいう旅は道づれ、へらへったら、へらへら……」
 先に立って腰かけを離れた与の公は、ごく自然に壺へ手を出して、
「お荷物、お持ちやしょう」
 と壺を取りあげようとするから儀作は胆をつぶし、
「アイヤ、それは主君よりおあずかりの大切なお品。手を触れてはな
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