州と、拙者といきおいこんでその壺の紙を剥ぎ取りたるところ、なるほど虫食いのあとはげしき古図一枚、現われはしたものの、文言地図等簡略をきわめ、とても、思慮ある柳生家御先祖の真の書き物とは思われぬ。その虫食いのあとなどもナ、はなはだ怪しきもので――じゃが、こういつまでも本物のこけ猿がお手にはいらぬようでは、柳生殿の御迷惑こそ思いやらるる。でナ、こけ猿の詮索はしばらく第二に、御造営に入用な額だけは、上様のポケット・マネイを……ということになったのじゃ。マア、何も言わずに、お庭の隅を掘ってみなされ。正直爺さんポチが鳴く。大判小判、ザック、ザク――あっはっはっは」
お鍬祭《くわまつり》
一
「つつしみつつしみて申す。わが先祖《おおおや》ここに地下《ちのした》に黄金《こがね》を埋ずめ給いてより、梵天帝釈《ぼんてんたいしゃく》、天の神、地の神、暗の財宝《たから》を守り護り給うて……つつしみつつしみて申す」
変な文句だが――。
これでも田丸主水正、その白髪頭に、もう四、五本白いのをふやして、ひと晩かかって、やっと考えぬいた、これが、いわばまア、即席の祝詞《のりと》なんで
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