、すんなりと蝋《ろう》のように白い脚であった。
 その夜ふけに磯五は、お美代に名ざして茶を持って来させたが、その磯五の寝部屋から、お美代は、朝になるまで帰らなかった。そして、朝になって奥から下げられて来たお美代は、すぐ泣いたり、すぐ笑ったり、つまらないことで赧い顔をして、そわそわしたり、そうかと思うと、しじゅうぼんやりしているお美代になっていた。夜中に、寝巻きの肩をふるわせて、奥と下《しも》のあいだの廊下にしょんぼり立って泣いているところを、朋輩にみつかったりした。
 お美代は、いつのまにか磯五を恋することを教えられていたのだ。
 そのお美代を、磯五はいま膝にのせて、いろいろに膝をゆすぶって、笑っていた。
「そら! 船だぞ」
 磯五が、子供にいうようにいって、そして、抱いている子供にするように、膝を大きく揺すると、お美代は昼日中主人とふざけていることを忘れて、鈴がころがるようなけたたましい声をたてて笑った。磯五はびっくりして、膝をゆすぶるのをよした。
「いけねえよ。美《み》い坊は声が大きいから、はらはらするのだ」
 お美代は笑いを押しもどすように、口に袂を持って行ったが、膝をおりようと
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