」
日本一太郎が笑うと、お駒ちゃんもはじめて、お駒ちゃんらしい大きな声をたてて笑った。
「そうねえ。じゃあ、かわり番こに洗いっこしようよ」
「それがいいのだ。おめえといっしょに湯にへえるのも、楽屋風呂以来、久しぶりじゃあねえか」
「おふざけでないよ。楽屋風呂なんて、いっぱし役者めいた口をきくけれども、ぜんたい楽屋にお風呂のある小屋へなんか、掛かったことはなかったじゃあないか」
「ははははは、そういえば、まあ、それに違《ちげ》えはねえのだが――」
「おじいさん、これからどうするつもりさ。両国が済んだら」
「さ、そのことだが、おいらにはおいらで、これでも考えてることもあり、かかってる口もあるのだ。としよりだって男一匹だ。なあ。どうころんだところで、身の立たねえということはねえのだが、それより、おめえはこれからどうしてやってゆく気だ。まず、それから聞こうじゃあないか」
「それがあたしには、さっぱり目当てがないのさ。おさき真っ暗でねえ」
「おめえさえ居る気なら、おいらのところにいてもいいのだが」
「そうかい。でも、そうもゆくまいしねえ」
「おいらはいっこうかまわねえが、まあゆっくり考えてみる
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