がいい。それあそうと、さっきちょっと話に出た、磯五とかいう呉服屋とおめえとの一伍一什《いちぶしじゅう》を聞こうじゃあねえか。そのうえでまた、おいらも何かと力になったりなられたりするつもりなのだ。いいから、初手から話してみな」
お駒は、たどたどしいことばで、磯五との情事をはじめから話し出した。
磯五に頼まれて、おせい様をだますために、その妹になりすまして式部小路の家へはいりこんだことや、内儀に直すという約束で、磯五にすべてをあたえたことや、そのほか、お駒のはなしには、お高の名や、父の久助のことや、お針頭のおしんや、磯五がじぶんの眼のまえで関係して見せる小間使いのお美代や、いろんな女の名まえがたくさん出て、だいぶこんぐらがっているので、日本一太郎は、筋みちを理解するために、眉のあいだにふかい皺をつくって、気を詰めてきいていた。
四
風呂から上がると、お駒は日本一太郎の浴衣《ゆかた》を借り着した妙な恰好で、部屋の隅に長くなって眠ってしまった。
お駒ちゃんが眠っているあいだ日本一太郎は、風呂場から持ち越した眉根の皺をそのままにして、何かしきりに考えこんでいるふうだったが
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