てあるところじゃあ、おゆうさんが死んだ後、相良さんは大阪でお前さんを養女にやったというのです。そのもらった人が、相良寛十郎になりすまして、実の娘としてお前さんを育てたということですよ」
一空さまが相良寛十郎を発見したのは、あの龍造寺主計の金で洗耳房に建て増しした子供の遊び場であった。
というのは、ときどきここへ子供の好きそうな芸人などを呼んで余興を催すのだが、きのうも、いま両国《りょうごく》に小屋がけしている手品の太夫《たゆう》を招いて学童たちのまえでやってもらったところが、それが、一空さまにもはっきり見覚えのある、おゆうの良人の相良寛十郎だったのだ。日本|一太郎《いちたろう》という芸名で田舎まわりをしている老手品師が、お高の父相良寛十郎のなれの果てであった。
無情を感じたというのだろう。そうでなくても、寛十郎には、性来、放浪癖といったようなものが強かった。おゆうの死後まもなく、まだ赤ん坊であったお高を、旅で会った、どこの何者とも知れない男の手に預けたまま、乞食《こじき》同様の山河の旅にひとり発足したのだった。
そして泊まり合わせた旅の手品師と同行して、いつのまにか手品を習い覚
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