人をあらためる町役人の集団《かたまり》が、黒かった。提燈の灯が、かどかどに揺れうごいていた。

      五

 どこも、怪我をしてはいなかった。が、興奮のあとの疲労が、お高を病気のようにした。若松屋惣七がいろいろ心配をして、お高は、居間に床をとって寝かされていた。若松屋惣七は、じぶんで看病もした。
 午《ひる》下がりに、一空さまが、見舞いの菓子折りなどをぶらさげて、たずねて来た。前の晩と同じに、お高を自慢するように、眼を光らせていた。お高は、床の上に起き直って、いつものさびしいところの見える微笑で、一空さまを迎えた。
 一空さまは、お高の英雄的行動をすっかり聞かされて来て、はいってくるなり、お高をほめちぎった。お高は、そのことをいわれるのが、くすぐったかった。話題をかえて、ゆうべはぐれ[#「はぐれ」に傍点]てからの、一空さまのことをきいてみた。
「まあ、離れて見物しておった。面白かった」
 一空さまは、そう冷々淡々と答えて笑った。が、すぐ真顔にかえって、つづけた。
「そんなことより、きょうはちと話したいことがあって来たのじゃ」
 お高の熱心な視線が、一空さまの顔に凝った。お高は、一
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