、父《ちゃん》のいうことをきいて、足を洗いな、足を」
「あたいが磯屋さんの妹になっているのを、見たり聞いたりするのが、そんなに気になるんだったら」お駒ちゃんは、だんだん持ち前の強情な口調になっていた。
「お父つぁんこそ、どこかほかへ住み替えたらいいじゃないか。何も、おせい様んところばかりが、板の口でもなかろうと思うんだけれどねえ」
「何てえことをいうやつだ。いんや、おれはよさねえ。どんなことがあっても、おれは、おせい様んところを動かねえつもりだ。邪魔で、お気の毒さまみたようだが、おれは、おめえのすることに、眼を光らせていてえのだから――」
五
「そうかい。そんなら、まあ、すきなようにするがいいさ」
「おう。すきなようにするとも」
「あたいはもう帰るよ。磯屋さんも、もう帰って、きっと待っているんだろうから――」
「なに、磯屋は今夜、おせい様んところに泊まり込みだ」
「あれ! ほんとかい」
「ほんともうそもあるものか」と、いいかけた久助は、お駒ちゃんの顔いろが変わったのに気がついて、
「どうした、お駒。磯屋がどうしようと、おせい様がどうしようと、おめえがそうやっきになること
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