話をして、いずれその時節を待つつもりでおる。
 とにかくわしは、こうしてあんたを奉公させておくに忍びんのじゃ。女子《おなご》というものは、働くために生まれたのではない――が、そう自分の思うことばかりいうても、しようがあるまい。どうです、あんたは、ちっとはわしがすきになれそうだかな」
 お高は、適当のことばをさがすのに忙しかった。が、なかなかそれが発見されなかった。心が真ッ白になったような気もちだ。龍造寺主計のむきだしな口調には、何かしら力があるのだ、思い切って、声を押し出した。
「身にあまるおことばでございますけれど、どうぞ龍造寺さま、どうぞ、そのようなことはおっしゃらずにくださいまし」
「はて、すると、このわしを好きにはなれぬといわるるのかな」
「いいえ。けっしてそういうわけではございませぬ。失礼でございますが、わたくしは、龍造寺さまが好きでございます。大好きでございます。正直に申しますと、今まで、あなた様のような男らしい方にお眼にかかったことはないような気がいたしますのでございます。でも、夫婦になるなどと、そんな――」
「そんな気はないといわるるか」
「気があるないよりも、できませ
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