らえて来たのか、渋い縞《しま》ものに変わっていた。すっかり、ちょいと、工面のいい商家のあるじのいでたちなのだ。
 骨張ったからだにもやわらかみがついて見えた。こわいあばた面も、このあたらしい着つけにそんなに似つかわしくないこともないのだ。ひとかど商戦の古つわものらしく、かえって貫禄《かんろく》をそなえているのである。
 本人も、べつに思い切って変わったというところも見えないのだ。けろりとして、部屋へはいって来て、若松屋惣七のまえにすわった。板についていて、ちっともおかしくはない。龍造寺主計自身も、ただ、さばさばした気もちだけで、じぶんのそうした転身など、気にとめていないようすだ。
 若松屋惣七は、よく見えないから、早変わりをした相手に、おどろかされることもなかった。
 龍造寺主計は、だしぬけにいった。
「この二、三日、掛川宿の具足屋のことを、考えておった。いままであんたがおろした資本《もとで》の半金だけ、あらたにわたしに、出させてもらおう。どうです、ふたりでやってみようではないか」
 若松屋惣七は、眉ひとつ動かさなかった。
「龍造寺さまですかい。そんな金があるのですかい」
「やっと調達
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