っちゃりとしてやさしい磯五が、妙に可哀そうに思われてきた。このさき、どうなるであろうかと思った。
龍造寺主計は、何か考えている。黙って、歩いている。お高は、そっと龍造寺主計の横顔を見た。そこにお高は、磯屋五兵衛とは極端に反対な人間を見た。やわらかい心臓を包んでいる強い線が、龍造寺主計だ。おなじ男で、こんなにも違うものであろうかと、お高は思った。
二
龍造寺主計は、それきり何もいわなかった。つれだって、金剛寺坂の屋敷へ帰ってみると、若松屋惣七はまだかえっていなかった。
龍造寺主計は、もう若松屋惣七に会う必要がなくなったから、待たなくともいいといったが、どこへも行くところがないので、お高の厚意で、若松屋方へ泊まることになった。お高は、佐吉に命じて、龍造寺主計のために、離室《はなれ》に床をとらせた。
佐吉に、龍造寺主計のめんどうをみさしておいて、じぶんは、居間へ帰った。しばらく起きていて、若松屋惣七のかえりを待ってみたが、帰りそうもないので、寝る支度をはじめた。
するりと着物を脱いだところへ、ふすまがあいたので、お高は、びっくりした。着物を前へかけて、その場へしゃが
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