そう骨身にこたえて、そのうえ氏育ちは、争われませんもので、本人はそのつもりでなくても、やれ、お上品ぶっているとか、いやにお高くとまっているとか、朋輩《ほうばい》衆と、ことごとにそりが合いません。
 いじめられ通しで、泣きのなみだで、それでもお主《ぬし》大事につとめておりますと、どうでしょう。あげくの果ては、あろうことか、あるまいことか、女中どもが寄ってたかって、お駒が、何か御主人のものを盗《と》ったとか、とんでもない濡《ぬ》れ衣《ぎぬ》をきせて、そのために、お仕着せまで取り上げられて、ほうり出されたのだそうです。
 これもみんな、ほかに身寄り葉よりもない、たった一人の妹を、うっちゃっておく気はなくても、まあ、うっちゃっておいた、わたしの罪でございます。さっきこの話を、お駒の口から聞いて、兄さん、わたしゃくやしい、といわれましたときは、すまない、お駒、許してくれ、このとおりだと、思わず、このやくざな兄貴のわたしが、お駒のまえに下りましたよ」

      四

「ほんとにねえ」おせい様は、しとやかに眼をぬぐった。
「いいえ、ですけれど、そんな馬鹿なことって、ありませんよ。これから、一っぱ
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