「なんてまあ、強情なんでしょう!」
お駒のようすに、だんだん伝法《でんぽう》なところが見えてくる。今に何をいい出して、地金《じがね》をあらわさないものでもないから、黙って見ていた磯五が、心配をはじめて、いそいで口をはさんだ。
「ええ、これは、吉田屋さまのお内儀でいらっしゃいますか。おうわさは、おせい様からも、しょっちゅう伺っております。手まえが、磯屋五兵衛でございます。ただいま伺いますと、何かとほうもないお人違いをなすっていらっしゃるようでございますが、まこと、これは手前の妹、駒でございまして、お話しのお安さんでもございませんければ、また、どちら様へも、奉公になぞ上がったことはありませんでございます。
もし強《た》って、そのお安とやらだとおっしゃるんでございましたら、失礼でございますが、何か証拠と申すようなものを、見せていただきたいのでございます。他人の空似というようなことも、往々《まま》あるためしでございますから――」
ただおろおろしていたおせい様も、これにいきおいを得て、種々口をそえて、お民に、その、間違いにきまっていることを、さとらせようとしている。
お駒は、くやしいと
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