っと」に傍点]眼顔でしかりつけて、やっと押しとめておいたくらいだ。
それが、今こうしてお民の眼をまともに受けると、お駒は、まるで石になったようだ。つめたく固まって、口もきけないのだ。おせい様も、びっくりしたようすだ。あわてて、いった。
「このお方は、日本橋の磯屋五兵衛さんの妹さんで、お駒さんという人ですよ」
「え? 何ですって? 磯屋さんの妹のお駒さんという人ですって?」
お民は、叫ぶようにおせい様にいって、それから、くるりとお駒へ向き直った。
「何だい、この狂言は。いやだねえ。お前はお安《やす》じゃないか。間違いだなんて、いわせはしないよ。お前だって、わたしの顔をお忘れじゃああるまい」
おおぜい奉公人を使って、気の強いお民だ。正面から、お駒を見すえて、きめつけた。すると、不思議なことには、今のいままで、磯屋の店をひとりで切りまわしている、五兵衛の妹お駒として、すっかりおさまっていたお駒が、今もいうとおり、凍ったようになってしまったと思うと、こんどは、顔を、真っ赤に、というよりむらさきにして、たちまちへなへなと折れてしまいそうに見えた。
おせい様は、何やらいっこうわからないなが
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