、どう細かく割ってうごかそうと、若松屋の仕事につぎ込もうと、その金がおなじ利を生むからには、何もいうべき筋はないはずだ。よって、貸した借りたとは申しても、普通《なみ》の借銭とは、おのずから理《ことわり》をべつにしておる」
「さようでございますとも」
「ところが、けさお前が出て行ってまもなく後家さんから使いが来てな、あしたにも、その金はもとより、わしの手から動いておる自分の金を、そっくりまとめて納めるようにとのことなのだ」
「あら、それでは約束が違うではございませんか、約束をたがえてそんなことがいえるものでございましょうか」
「それは、いえる。女分限者と金番頭の、いわば内輪のことなのだ。約束がちがうといって、公事《くじ》にも持ち出せぬ以上、いつどう気をかえられても、しかたがないではないか」
四
「さようなものでございましょうか」
お高は、若松屋惣七のためを思って躍起になっていた。
「それでも、もとはといえば、具足屋東兵衛さまとやらから、起こったことでございましょう。何も、旦那さまが、一身にお引きうけなさらずとも――」
「東兵衛は、狂人だ。狂人から、何が取れる」
「でも、
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