いって具足屋が芽を吹くことがあればと、見込みがあるつもりでしたことなのだ。慾《よく》と二人づれで、やったことなのだ。うふふ、侠気《おとこぎ》だの、義理だのという、そんな洒落《しゃら》くさいものではない、ははははは」
「で、その借財《かり》のほうは、どうなすったのでござります」
「いま具足屋を人手に渡したくない。しばらく立て直して、もちこたえてみたいと思ったから、すっかりわたしが払ったのだ。この弁金と、いま話した東兵衛の女房へやった、東兵衛の出した資本《もとで》の分と、この二くちの金に困ってな、金のことをまかせられているある後家さんから、話しあいで、一時の融通を受けたのだ。
それも、それだけのものをまとめて借りたのではない。その女から預かって、わしの眼きき一つで、あちこちに動かしてある金を、その女の許しを得て、一時わしの手にあつめて、具足屋のほうへまわさせてもらったのだ。一年後に、わしがほかへ小分けしておいたと同じ利分をつけて、耳をそろえて、その女に見せるという約束だった」
滝蔵が、おそくなったいいわけをしながら、灯のはいった行燈《あんどん》を持って来て、ほどよいところへおいて、さが
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