から何かの行きちがいでござりましょうな」
「こ、これをひいて参った下郎は、ほほ他に何か積んでおったか」
「その儀、手前いっこうに存じませぬ。ただ手前が門内へはいりましたゆえ、そっと玄関に出ておりますとわれんばかりに戸をたたきますので、こう内からあけてみましたところ――」
「うむ」
「せっせ[#「せっせ」に傍点]と鎧櫃をおろして、閑山から参りました。お受け取りください、とがなりおりますから、さようか、御苦労と手前が出ましてな、その者と二人でかつぎ入れましたうえ、時分を見て御前にお越しを願った次第、腑に落ちぬと申せば、第一にあの下郎が不審でござります」
「わしが参ったときは、そ、そちはこれを二階へ引き上げおった。それはよいが、か、閑山の下僕、と、戸を乱打致してがなり立てたと?」
「は。いささか酒気を帯びておりましたようす」
「なんじゃ。く、くく、食《くら》いよったか。はははは、そ、それで解《げ》せたぞ」
「と申しますと?」
「し、知れたこと、その者の間違いじゃ」
 その者のまちがい?
 というと、車をひいて来た閑山の飯たきが、誤って自分をここへ送り込んだのか。
 さては閑山爺さんは恨む筋で
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