をかざしてあとへさがった。
狡猾《こうかつ》な遊佐銀二郎、相手の油断を突いておいて、今だ! と思うから早撃ちだ。畳みかけて打ちこんで来る。
あぶない!
守人があぶない!
と見るや、はばかりながら御免安も江戸っ児だ。どっちに味方するんでもないが、きたねえまねが大きらい。
「いやなことをしやがる!」
気がつくとたっていた。そして、再び気がつくと、そこに落ちてた丸太ん棒を引っつかんで、殺陣のまっただなかへとび出していた。
こいつ、とかく酔興だから損をする。
「さあ!」と安公、がなり上げたものだ。「卑怯なまねをさらしやがって! てえっ! こうなれあ俺が相手だ! こん畜生っ! 野ら犬め! ごまかし野郎め! てえっ! 日向水《ひなたみず》の鮒《ふな》ああっぷあっぷ[#「あっぷあっぷ」に傍点]のちょろちょろだい! 何が何でえ! 化け物侍! てへっ! どっちからでも斬って来やがれ!」
いうことははっきり[#「はっきり」に傍点]しないが、銀二郎はまずその早口に度胆《どぎも》を抜かれ、つぎに感心してしまった。
「邪魔ひろぐな。何だ貴様は?」
「何を! こうっ、高田の馬場の安さんだ!」
「どこ
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