の双虎、いわば同じ巣を立った二羽の鳥だ。銀二郎は柔、守人は剛と手口こそ違うが、癖まで知り合っている仲だから、どっちも迂濶には打ち込めない。
「や! こいつあ見物《みもの》だ」
安兵衛はひとりで悦に入っている。
とこうするうち、面倒! と見たか、まず守人がいらだちはじめた。
た、た、たっと! 踏み切った拍子に十分に体のすわった突きの一手! 守人じしんが、一本の棒と化してとんで行った。
ちゃりいん!
払った銀二郎、右横に避けながら、滝《たき》落としの片手打ち、ただもう一筋の白いひらめきだ。袈裂《けさ》がけ――と見えたが、斬ったのは守人の袂《たもと》。時ならぬ黒蝶《くろちょう》が宙をかすめた。
守人は、いつのまにか片肌《かたはだ》ぬいで大上段。
「――とうっ!」
「や! 来い、こい、こいっ!」
銀二郎の秋水、いざなうもののごとく揺れ動く。
ち、ち、ちいと虫の声だ。
すうっ――銀二郎が爪立《つまだ》った。
とたんに、
「はあっ!」
と大声! ぱらぱらぱらっ! 深く守人の手もとに踏み込んだ。上下左右に幾十本の白線が旋弧する。飛躍する、回転する。虚! 実! 秘! 奥!
守人
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