強盗だ!
不意打ちに飛び込んでやろう。機先を制するのがこのさい一番の上策。
「畜生、ふざけたまねをしやがって!」
つぶやきながら、文次が上がり框《かまち》に足をかけた刹那《せつな》、
「えいっ!」
肝腑《かんぷ》に徹する霜のような気合い、殺刀風を起こして土間の一隅から?
白刃――体当たりでとび出した者がある。
むろん賊の一人が見張りしていたのだろう。
腕が延び過ぎて、刀は文次の背後へ走り、二つのからだがもろにぶつかった。
「てえっ!」
と文次、きき腕取ってひた[#「ひた」に傍点]押しに押しかかる。敵には長刀《どす》がある。離れればばっさり[#「ばっさり」に傍点]だ。
「何だ? 手前は」
返事はない、無言。無言で、取られた腕を引きもどしたから、文次はつられて前へよろめく。ところを賊のやつ、一間ほどうしろとびにすっ[#「すっ」に傍点]とんで、三尺の閃光《せんこう》、瞬間正眼に直したと見るや、
「往生しろ!」
と一声、ぎらりかざした氷剣を拝み撃ちに来た。何のことはない。薪《まき》割りの秘伝だ。できる――といえば、できる。が、冴えないといえば野暮なさばきだ。
文次は真っ二
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