にまわるのを食い止めたのでどうやら助かるらしいとの見込みだ。
ここで文次ははじめて死に花の現物を手にとって見たわけだが、なるほど、小さいくせにまことにいやなにおいがして息が詰まるようだ。
邦之助が正気づくのを待っていろいろきいてみたが、数寄屋橋詰めで水戸の篁守人にあってすれ違ったからおおかたそのときに附けられたのだろうというが、篁守人という名だけは危険人物として聞いたことがあるが、文次は顔を知らない。方来居の居候《いそうろう》だといったところで、証拠のない今となってはやたらに踏み込んで行くわけにもゆかない。
とにかく、文次も安も二、三日税所方に寝泊まりしてその後のようすを見ることにした。
すると、あくる朝からへん[#「へん」に傍点]なやつが家の前をうろつき出した。へらへら平兵衛である。果たして守人の嗜人草によって邦之助が死んだかどうか、それを見届けに来たものだろうが、どうも生きているらしいから、平兵衛帰宅してその旨を告げた。
さては仕損じたかと守人はがっかりした。同時に、今夜こそはどうしてもしとめてやろうと夜がふけるのを待って、守人は再び単身税所の役宅へやってきた。そうして、
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