とも、俺の手にかかりたいか。こら、ぶった斬るぞ野郎、武士たる者へ死んだ女なんぞ送りつけやがって」
 科白《せりふ》はだんだんへんにくずれてくるがそれだけ危険の度を増すのが内藤伊織だ。こいつのことだから、閑山の細首ぐらい笑いながらいつぶった[#「ぶった」に傍点]斬らないとも限らない。役者のような容相《かおかたち》にすさまじい殺剣の気と技《うで》を包んでいることは、昼の騒ぎで文次と安がよく知っている。
 そろそろ顔を出そうかなと文次が動きかけたとき、
「旦那、まだ往生しませんかい」
 と伊織へ声をかけて、表にはまた一人新手が助けに出たようだ。
 帝釈《たいしゃく》丹三である。
 溝泥《どぶどろ》を呑んだ腹いせに、眼玉を三角にしてがなり出した。
「えこうっ、爺《とっ》つぁん、やに手間あ取らせるじゃあねえか。人殺し兇状《きょうじょう》は、人ごろし兇状はな。いいか、人殺し兇――」
「これこれ、そう大声を発せんでもわかる。なあ閑山」
 伊織がとめている。
「なあに、こんな唐変木《とうへんぼく》にあこのくれえでなけあ通じねえんで、大きな声は地声だ。やい人殺し兇状は――と来やがらあ。どうでえ」
 何が
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