の蓋をあけて中の物を引出してみると、それは血がついた肉塊であった。つづいて小児の内臓とおぼしきものが、半分くすぶりながら引ずり出されて来た。
そこで直にメネルーの身体が捜索された。
恐るべし! 彼の上衣のポケットの中から、小児の二本の腕が発見されたのであった。
最後にストーブの中から首が出て来たが、棚その他にかくしてあった肉片をすっかり出して見ると、実にルイズの身体は三十五の部分に切りわけられていたのである。
もはや何らの否認は許されなかった。
犯人の自白は次のようなものだった。
「午後四時頃に、水をくみに出た所、ルイズに出会ったんです。そこで私はその子を、へやにさそいました。何かいい物をやると云ったのです。まもなくしきりに帰りたがりましたが、私は部屋から出しませんでした。とうとうルイズは泣き出しましたが、それから後の事ははっきりおぼえていません。ただ夢中でルイズの咽喉をしめて殺した事を思い出します。私の手でしめたのです。それからマットをとって之に身体をくるんで、ベッドの中につっこみ側に私も横になりました。しかしその夜中私は眠れませんでした。朝になって両親が出かけてしまうのを
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