夢をよ――
うつらうつらと
繰り返してる
夢をよ――
夢だ 夢だと
わたしも――思た
思たよ――
うつらうつらと
つくづく――思た
思たよ――
[#1字下げ]十七花[#「十七花」は中見出し]
川の向ふの
十七花よ
辛いだらうが
赤く咲いてお呉れ
情なからうが
十七花よ
川の向ふで
赤く咲いてお呉れ
赤く 燃えるやうに
十七花よ
辛いだらうが
赤く咲いてお呉れ
[#1字下げ]見はてぬ夢[#「見はてぬ夢」は中見出し]
恋人と ゆうべ別れた
停車場を
今朝《けさ》は 一人で
あるいてる
乗り降りの 人の往き来を
眺めたり
そちら こちらと
あるいてる
なつかしき 見はてぬ夢に
そそられて
今朝は一人で
来たであろ
[#1字下げ]煙草の花[#「煙草の花」は中見出し]
お蔦嫁さま
煙草の花は
元《もと》の男の 畑に咲いた
お蔦嫁さま
もう 諦めた
何にも縁だと もう諦めた
切れた障子の
穴から見たら
後向きして糸繰りしてる
[#1字下げ]傘の下[#「傘の下」は中見出し]
どこで生れた
安来《やすき》の 町かよ
雨の降る日に
生れたのかよ
聞いてください
前へ
次へ
全23ページ中11ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
野口 雨情 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング