沙上の夢
野口雨情
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)鶫《つぐみ》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)京都|智恩院《ちおゐん》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ページの左右中央]
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[#ページの左右中央]
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なつかしいのは、故郷の土である。「沙上の夢」は、土の詩であり、私の故郷の詩である。
この集中に収めた作品の多くは、散逸してたづねようのなかつたのを保存して置いてくれた友人藤田健治氏の好意を、私は感謝にたへない。
大正十二年春
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[#地から1字上げ]著者
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沙上の夢[#「沙上の夢」は大見出し]
[#1字下げ]河原の雨[#「河原の雨」は中見出し]
河原の石に
降る雨は
恋しい人の
涙かよ
河原の岸の
笹の葉に
さびしい さびしい
雨が降る
「河原の
雨は
降る
雨は」
かなしい唄も
うたはずに
わかれた人の
涙かよ
[#1字下げ]梅の実[#「梅の実」は中見出し]
梅の実の落ちしを見ても
かなしくて
心の底
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