の手練に、二分の怒気を含めて投げるのですから、敵いかに多勢なりとも、面《おもて》を向けることができません。面を向ければ、多武《とう》の峰の十三重の塔と同じく、向いたところが満面銭で刻印されてしまう。
 額へ当れば額、頬っぺたへ当れば頬っぺた、縦に来た時は箆深《のぶか》に肉に食い入ろうというのだから、この矢面には向うべくもない。加うるに、この弾丸はなかなかに豊富で、むやみに掴投げにしてさえこの一袋は相当の使いでがあるのに、これを適度に使用されてはたまらない。左に持った一掴みの中から、右手で一枚を抜き取って、その片面にしめりをくれる。
「総花にフリ撒《ま》いてやるというのに、そう遠慮するなら今度ぁ、狙撃《ねらいうち》だぞ、それその前につん出た三ぴん野郎! こっちへ向け、そうら、手前のお凸《でこ》の真中へ、一つお見舞」
と言って、はっと気合をかけると、予告の通り三ぴん氏の額の真中へ、寛永通宝子がぴったりと吸い着く。
「そうら見ろ、お次ぎはこっちの三下野郎、イヤにふくれた手前の赤っ面の頬っぺたに一つ――こんにちは」
と言う言葉の終らぬ先に、なるほど、三下氏の頬っぺたに吸いついた文久通宝子、まる
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