、この青年をあしらい兼ねているのであります。
そこで、七兵衛が思いつきました。今後、一週に二三回ぐらいずつ、この青年を指南役として、島の人のすべてに武芸を仕込んで置けば、なにかの役に立つ。そう思って、そのことを田山白雲に相談すると、白雲は直ちに同意し、柳田平治も、好きな道であり、自分も練習になるから、異議なくこれを引受けて、早くもこの島に、一箇の武術道場が出来上るということになりました。
今日は大へん暑いものですから、田山白雲と、柳田平治は、一番、泳ごうではないかと言って、海へ飛び込みました。二人とも、水練は達者です。さんざんに泳いで陸へ上り、裸のままで砂ッパに寝ころんで話をはじめました。
「田山先生、日本はこれからどうなるのです」
「そうさなあ、今頃はどうなってるかなあ、西と東にわかれて、戦争でもおっぱじめていはしないかなあ、わからんなあ」
「日本で東西が争うとなると、どっちが勝つのですかねえ」
「それもわからんなあ、日本にいるとそういうことにすてきに気がもめたが、こうして大海へ乗り出して来てみると、そんな気持がカラリとしてしまうのは不思議だね」
「田山先生、あなたはもう日本へ帰
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