ガ禅ヲ会《ゑ》スヤ
虚堂来也《きどうらいや》
半銭ニ直《あたひ》セズ
東海純一休
[#ここで字下げ終わり]
スラスラと読んでしまってから、慈姑頭を更に一倍振り立てて、
「諸方に一休の書と称せられるものが相当あるにはあるがね、あんまり感心しないよう。ところで、こいつはいいぜ、こりゃ、たしかに一休の書だよ。一休という奴ぁ、こういう字を書かなけりゃならねえ奴なんだ。これゃいいよ、句もなかなかいいよ。ただ、虚堂来也――素人《しろうと》はこれをキョドウと読みたがるが、いけねえよ、キドウと読まなくちゃいけねえ、ただこの虚堂来也がねえ、ちっとばかり小せえよ、道庵に言わせると、仏祖来也といきてえところなんだが、それはそれとして、この辞世の文句にもはじめてお目にかかるよ、一休名所図会(一休諸国物語の誤りならん)にも、辞世の句というのがいくつも出ているが、この文句は無《ね》え、名所図会のがニセ物で、これがホン物だ」
と言いました。道庵が多少ともに物を賞《ほ》めるということは、極めて少ない中のこれもその一つでございました。
そうしているうちにも、お雪ちゃんの容体を見てやる親切は変りません。脈をと
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