以前と同じような澄ました面《かお》で、釜前に火をくべていて、片手には大串《おおぐし》を持って、それで釜の中の肉を突きさしては頻《しき》りに食べている。
「一片召上ってごらんなさいませ、とても若い肉のように肥え太ってあぶらみはございませんが、噛みしめると、少しは味も出て参ります、一ついかが」
と言って、釜の中へまたも大串を突込んで、一片の肉をつつき出して竜之助の手に持たせつつ、自分はほかの串へさしては食い、食ってはさし、その貪《むさぼ》り食うこと、全く餓鬼そのものの形相であります。老婆から授けられた一本の串を、さすがの竜之助も食い兼ねて、持扱っている間に、飢えたる老婆は早くも一釜の肉を平げてしまいました。
それと同時に、大釜の下に焚かれた焚火も、ばったりと消えてしまいますと、すっくと立ち上った老婆の腹は、脹満のように膨《ふく》れ上っておりましたが、
「やれやれ、これで当分お腹が持ちましょう、飛んだお邪魔を致しました」
と言いながら、大釜の一端に口をつけると、釜の中に残った汁を、鯨のように吸い込んでしまい、それから以前のように大釜には縄をからげて、われとわが背中へ背負い込み、そのまま、以
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