わさ》に聞くと、その女豪傑の大将はステキな女丈夫で、むろん女豪傑といわれるのだから、女丈夫の一人には相違あるまいが、多くの手下をつれて胆吹山に籠《こも》っていたが、この心中の二人も、その胆吹山の山寨《さんさい》に居候をしていたのだそうです。そういう縁故から出向いて来て、あの供養をして上げましたのだそうです。
なるほど、何か胆吹にからむ因縁があるのだな。して、その女豪傑の大将といわれる婦人の方を、あなたは見ましたか。ええ、ようこそそれをお尋ねになりました、どのような風采《ふうさい》を致しておりましたか、はい、ちょっと一目うかがっただけでは、世の常の女の方に少しも違ったところはございません、せいはすらりとして、品のよい大家のお嬢様、そうでなければ若奥様といったようなお方で、芝居で致しまする鬼神のお松のような、金糸銀糸の縫取を着た女賊のようにはさらさら思われません。あれで女豪傑の大将で、たくさんの手下を自由自在に扱い、このほど起りました百姓一揆《ひゃくしょういっき》の大勢ですらが怖れて近よらなかったと申します、そんな威勢はドコにも見えませんでした。全く人は見かけによらぬものと申し上げるより
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