畔で営まれたこと、そうして、この供養の施主《せしゅ》というのが、疑問の一人の女性であったということです。
兵馬は、それを訝《いぶか》しいことにも思い、また、なるほどと合点することにも思いました。というのは、湖畔で拾った卒都婆の文字が、たしかに女文字と睨《にら》んだからであります。その点は符合するが、そんならば、何の縁あって、右の女人が出しゃばって、この二人の亡霊の供養をしなければならないか、その女性は何者か、心当りはないか、という押しての疑問に答える浜屋のおかみさんの返答は、極めて要領を得て、そうしてまた要領を得ないものでありました。
その女の方は、やはり、手前共に暫く御逗留《ごとうりゅう》をなさいました。胆吹山からおいでになりましたそうでございます。なおよく承りますると、胆吹の山に住む女豪傑の大将だそうでございます。
なに、女豪傑の大将――それは、けったいなことだわい、してまた、その女豪傑の大将が、何の縁あって、男女二人の心中の供養をしなければならないのか、その因縁については、お内儀《かみ》さんの返事は漠として夢を掴《つか》むようで、ほとんど要領を得られません。
だが、噂《う
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