のあらゆる事情に於ては否定すべき存在であるのに、そのことのただ一つの技術のために、彼の不検束が許されている。それが許されている間は、女のふしだらもまた許されている。こういった唯一の条件の下にのみ、二人の存在は許されているのですから、その以外には、あらゆる冷たい眼を向けられているのに、ひとり七兵衛だけは、二人の間を、一種の同情を以てゆるしておりました。
出来ないうちはともあれ、出来た以上は仕方がない、出来たにしても、どちらか一方に不満がある時は、またそれはどうにか手段があろうけれど、毛唐であれ、ウスノロであれ、出来てしまっている上に、二人とも、憎くない、好き合っているということになってみては、もう、文句の無いところだ、許してやるさ、明るく二人を扱ってやることさ、少なくとも、冷たい扱いをしないで可愛がってやるがいいさ……こういうように、同情心を以て対するものですから、二人も、七兵衛の温かい心に非常な感謝の念を持っているのです。
この感謝の心が、かくも行動となって現われて、七兵衛に対する限り、もてなしぶりが違うのです。そこで二人も七兵衛の来ることを喜ぶし、七兵衛もまた、二人以外の船の目附
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