今夜は一晩、寝ずに考えてやるぞ、と七兵衛が、じっと思い入れあった時に、どやどやと皆が出動して来ました。
三十二
その晩、七兵衛は、無名丸の方へ廻って船番がてら、船で一夜を明かすことになりました。
広い船室の中に、たった一人で、思う存分考えてやろうとしたのは、今朝、天幕の中でじっと見据《みす》えた、あの体力のハチきれそうな、おぼこの娘の身の上のことでした。
それを考えると、自分というもののこし方も、おのずから考えられるので――
「ああ、おれも考えてみると、女房では苦労をさせられたんだなア、苦労をさせられたというより、女房のために一生を誤られたと言ってもいいかも知れねえ。なあに、そんなことがあるものか、自分というやつの手癖足癖が悪いから、こうなったに相違ないが、嬶《かかあ》が良かったらこうならずに済んだかと思われるのも、まんざら愚痴じゃあるめえ。あいつお土産つきでおれのところへ来やがったんだが、そいつはおろしてしまって、次のやつが出来ようという時に、男と逃げた、それから、おれがグレ出したというようなもんだが、女というやつは、どっちへ廻っても油断がならねえなあ。そ
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